ドコモ、ビッグデータ販売へ…基地局機能活用 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ドコモが契約者の情報を加工してビッグデータとして販売するということ。もちろんドコモですから違法なことは何もないよう配慮されているであろうことは、ほぼ間違いありません。

読売新聞の報道から読み取れる限りでも、解析対象となるデータは

解析するデータには性別、年齢、大まかな住所は含まれるが、その他の情報は加工して個人が特定できないようにする。

となっています。

殊ドコモに限らず通信事業者が個人情報を利活用するとなると反射的に脅威を感じて誤解をする人も多いとは思いますが、読売新聞の報道内容からだと、個人情報が生のまま販売されるということは無い、ということが伺えます。その点はまず押さえどころ。

憶測ですが販売されるデータはあくまでも「平日の午後0時の新宿三丁目では40代男性が、約20%を占めていますよ」という類いの情報が、調査会社を経て購買者にレポートとして提供される流れのはずです。
というわけなので、極当たり前ですが、個人を特定しうる個人情報の売買ではありませんよ、と。

が、そうであるにもかかわらず(先のJR東日本 SUICA の搭乗歴の件も併せて)サービス利用者としてはなにやらモヤモヤした不快感が拭えません。この不快は何なのか。

それは、商品サービスを利用するために「やむなく」提示しているはずの個人情報が「全く別の目的のため」に商用利用されるということ。また、商用利用される割に、利用者への見返りが何も見えてこないということではないかとおもいます。

例えばですが、更なる科学発展、技術発展、社会的発展を目指してその基礎研究材料としてあなたの情報を活用します、という条件であれば、心理的抵抗感はあまり大きくありません。が、そうではなくて、利用者が「やむなく」提供している情報を「商材にしてしまおう」ということになると、受け手にとっての意味がずいぶん変わってしまいます。

「個人情報を再利用、利活用されたくなければ、その旨を連絡せよ」という件についても、ビッグデータで商売をすることを決定した以上は事業者側としては実効性を担保するための合理的判断だろうと思います。(利用者側が「どうぞ私のデータを使ってください」と願い出ることを前提にしたらビッグデータビジネスは成り立ちません故)

が、その手法では、利用者への感謝の念は感じられないものです。なにせ携帯端末を販売している事業者なわけですから、メールアドレス宛にパーミッションを取ろうすれば取れるわけです。コストはかかりますが、そりゃ利活用するための確認ですから必要なコストであるはずです。なのにその労力を支払おうとしないのだとしたら、やっぱり利用者側の不快は自然だと思えます。
まあこのあたりの上手い解消方法がどういうものなのかは解りかねます。無論到底不可能ではありますが、たとえば、サービス購入の時点の契約書中に、「後に、個人が特定できない形でアナタの位置情報を販売します」って明確に書いてくれたらいいな、と思うのが一般消費者の人情というものです。

仮にですが、サービス提供のため「やむなく」個人を特定しうる情報を事業者側が保持するそのことは仕方ないにしても、たとえばサービス利用者による「情報抹消の要請」についての権利であったり「時限性で自動的に廃棄される仕組み」、「デフォルトでは事業者側が利活用できない設定を基本とする」という定めのようなものはあってしかるべきだと思います。が、そういった手はずは提示されず、むしろ反対に長期間にわたりリスクある情報を蓄え続け、またそれを再利用する目論みを持ちながら規約に明示しないこと。そういう姿勢が、仮にも費用を支払って利用している消費者として、気持ちがよくないことなのは至極当然です。

肖像権や著作物著作権が誰に帰属するものなのか、財産権がいつまで誰のものかといったのと同じように、電話番号情報や位置情報などの、事業者側とサービス利用者側との間に存在する情報がいつまで、誰に帰属するものなのか、利活用の範囲はどこまでか、どこからは双方合意が必要かということについて、改めて法律を見直しても良いのかもしれません。

Foursquare