コミットって何なんすかね。

ここ最近の10日間ほどですか、やたらめったらコミットメントについての議論を続けざるを得ない状況に見舞われまして。もうゲップが出るほどです。とはいえ巷では、コミットコミットいいますね。かなり大勢が口々にそれを言います。いったいぜんたいなんなんでしょうか。なんだったらコミットを縦軸、能力を横軸にしたマトリックスとかも出回ってるらしくて。マジか?と。

自分を利害のそとに置いて、くれぐれも客観に徹して、コミットを巡る環境を見渡してみて、またその背景を考えてみてボクが導く感想は「大の大人が寄り集まって、こんな手慰みがあるもんですか」です。

英語のコミットメントを直訳すると、凄く沢山の日本語訳が出ます。代表的で一般的なのは「約束」。だけどそれ以外に「誓約」「委任」や「投獄」「拘留」もあります。また「献身」や「傾倒」も。コミットを口にする大勢の人は、こういうことを汲んで、解って言っているのか?ということ。まず引っかかります。

つぎに、なににせよ「与えられた目標を必ず達成します。を約束します。」という種類の宣言を求められているということに、どれほど意識を払えているのでしょう? このクソ経済の中で、必ず達成できる目標とは何なのでしょう? そこの目標の妥当性は誰が担保に勤めてるのでしょう? コミットの主体が自己申告してるでしょうか?ただ与えられるばかりの目標数値にコミットすることを強要されてやしないでしょうか? あるいは確度のない目標へコミットできないことそのものを詰られてやしないでしょうか?

さらに、何のためにコミットするのかというテーマが、別途、あります。「オレはオレの家族を守る!」このコミットは、何故の内訳が明確です。自分と家族の幸せを得んがため、です。結局全て自分に返る構造の中で述べるコミットというわけです。もの凄く自然です。それじゃあ「今年の売上を昨年の150%に!」という目標へのコミットは、いったいぜんたい何故、するのでしょう? 会社を愛してるから? 会社の存続を願うから?
奴隷でも無く、阿呆でもない、契約社会を生きる普通の人間ならば、自分自身の報償を高めるためにこそコミットの姿勢を示すのが自然です。そこに得る物がないのにコミットをするなんていうことは、そうでなくても労働価値が下がる一方の空恐ろしい世の中で、もう勘弁してくださいよって話なわけです。

とまあちょっと穿った言い方を採りましたが、普通の考えに則って何故を整理すれば、ひとつには「自分にはやれる!その合理的理由を持っている!」という確信がコミットには不可欠です。この次に、「目標必達で挑んだ成果として、給料なりボーナスを何割増しにする!」ということを契約当事者同士で明確に定めることです。そのうえで、個々が一番コミットの価値になりそうですが、「だからまず最初に、実行に必要な権限を、私にください!」ということ、この部分に価値があるんだろうと想います。

が、一般的に言って「やれる合理的理由」を目利きできない人間から順にコミットを言います。解ってないからね。次に「得る物」のないコミットを組織から求められます。無条件のコミットは、愛か奴隷制度かのどちらかです。さらにコミットとともに「権限」と「リソース」を必要な量だけ付与する組織、請求する個人というものに出くわしたことがありません。

それで、そうでないことを凄く強く願いはしますが、「コミット」という語だけが世の中で格好良さげに、肩で風きって一人歩きしているという状況にあるのだとしたら、もうなんか色々と、破綻です。政治政党のマニフェストくらいに、破綻です。言うだけなんです。言い合って慢心して、1年後にガッカリすることを繰り返してるのです。
不退転の決意、必達の約束をそうやすやすと他人と交わすことができるのならば、念書も、覚え書きも、実印つくのも、保証人立てるのも、とっても簡単なんだろうねとか想います。というかもはや、だいたいからして存在が耐えられないくらいに言葉が軽い嘘つき野郎以外にはしようがないのがコミット(約束)であるという定義もまんざら言いすぎでは無いとすら感じます。

と、非難がましいこと言っていても仕方が無いので、建設的に捉え直すと、組織と個人の間でコミットメントを要求される場合には、まず合理的に成功可能性の見込める人物にコミットを求めてみること、次にコミット対象となる目標成果について妥当なラインと方法論を用意すること。それからコミットし達成したら何がどう良くなるのか個人へ還元されるメリットをちゃんと組織の側からもコミットすること。あるいは達成できなかった、コミットが嘘になってしまったばあいの処遇がどうなのか、これも示しあって合意を取り付けること。さらに滑り出しの最初に必要となるリソースの理解も、足並みを揃えること。そういうことです。

それでもって、それらのコミットメントと目標をきちんと数値化して管理運用できる制度と体制を備えた会社が今いま幾つほどあるんだ?ってのも疑問は疑問です。

で、そもそもカタカナでは恥ずかしいし、わかりにくいし、解釈論に陥りそうですので、ここはひとつ「必達宣言」とかに置き換えて欲しいです。もう「関白宣言」くらい解りやすいです。そうなれば、向き合う事柄がいかに必達が難しいかとか、努力で賄えることなのかそうじゃないのか、適正な能力のある担当者か、など色々考えが捗る気がします。


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