Mubz snap

ついこないだ。仕事仲間としみったれた話をつまみに酒を交わしている最中に携帯が鳴り。我が家が燃えましたよ至急帰ってくださいよ、という旨の連絡。そりゃヤバいと急いで乗り込んだタクシーの中で追加の電話連絡があり、そこで火事は誤報の可能性もあるという情報を得ました。10分ほど経って現場(家)についてみると途中報告の通り誤報ということで結論づいたらしく、1階へ非難していた住民が各戸へ戻るタイミング。いやもう、ほんとうに誤報でよかった言う話。

というわけで、事なきを得ることができ心の底からほっとしました。安らぎの家周りでの有事は、もう何があっても勘弁いただきたい。
さて。そういったヒヤリな出来事を通して改めて実感したことなんですが、集合住宅での暮しは普段はすれ違いに会釈する程度の希薄な関係だったりしますがその実ものすごい濃い濃度でお互いが運命共同体で、我が家だけが確りと管理してても、そんなんじゃまるきりリスクは免れないってことに思い及びました。もしも100戸入った集合住宅なら、我が家が全力で火事予防に努めたとしてもせいぜい 1% の貢献度なわけです。どの部屋、どのフロアから火が出るかなんか判らないですし、ひとたび火の手が上がった以上は何らかの被害は免れないってわけです。

で、この運命共同体問題は実は住宅だけの問題だけじゃあ全く無く、職場もだいたい同じ感じですな。関係者の誰かがぼんやりしてて火を起こしてしまうと、最悪の場合には共同体の参加者全員の暮らしが延焼し、経営も人生も焼け野が原ですねという。

そこまでの大火事に及ぶことはほとんどレアケースですが、そこまで至らずとも、小火なら日々たくさんの数起こってるはず。ぼんやりしてて小火を起こすというのは結構デイリーに起こる事件で、むしろ頻度が多すぎてスルー力身につけすぎ、対応力高すぎ、と言っていい程です。いやもっというなら、意図して小火騒ぎを起こして自分の仕事量を調整する不届き者すら紛れています。

小火とはいえ火事ですから、ひとたび起こるとその共同体内の肉体的精神的活動は、かなり乱れます。
緊急で敷かれる基本フローは、小火からの周知、消火活動、各方面へのお詫び、そして復旧作業、放置され遅延された別件の巻き返し、といった感じでしょうか。とんでもない量の無駄な労力が共同体の一人一人に求められることになります。さらにたちが悪いのは、小火を起こした者への不信感から、小火者に二度と小火を起こさせないための指導的教育やチェック業務という新しくて生産的とはいいがたい仕事までをも生み出す場合もあります。その当人だけじゃなく全社共通のルールにまで及ぶ場合もあるでしょう。クソっ。少々口が悪いけど要するに、バカに貼るための専用絆創膏を作り、これを貼り、この剥がれをチェックするというような業務が出来上がってしまうわけです。無論この業務は、その体裁上はともかくとして、事実上は業績評価対象外という扱いになり、担当者にとってはいくら頑張っても意味のない案件というわけです。せいぜい同僚から同情を寄せて貰って、たまに飲みに誘われる程度のことです。
もうひとつ質が悪いのは、小火者へはその後もうほとんど仕事が入らなくなるため、もともと自己管理を抜かるような手抜き仕事をしていたのに加えさらに誰も仕事を頼まないという、魅惑のオアシスが誕生します。のにもかかわらずデスクと電話は人並みに与えられたままという、なんかもう釣りバカ日誌状態と呼ぶべき蜃気楼が発生して、なんかもうそれは管理が苦手という疾病にたいして与えられる福利厚生なのかと思える景観。
ここの場で言うところの小火というのは、プロジェクトでの不慮の事故というだけじゃなく、普段の業務報告から、気の利かない企画書から、勤怠時間の数字合わせから、いつもの取引先へのFAX誤送信まで、チェック作業が関わる、つまり大小含めあまねく総ての業務で起こりうるわけです。

なので、毎日毎日そこかしこが小火騒ぎであり、ほとんど日常化した小火に対して、あまりに不感症になりすぎて「ボクが小火を起こしたのは上司の誰それがちゃんと指導してくれなかったからだ」とかそういったチンチクリンな申し出すらあるほどなのです。そんなものは水平線いっぱいいっぱいの低品質飛行をしているようなわけで、もういっそ墜落してくれないかなと思うんですが日本の組織の善くできたところなのか、そういう低空飛行ほど手厚く保護するようなところがあり、なかなか墜落してくれないどころか、むしろそんなんを3年くらい続けるとアイツは粘り強いというトンチンカンな高評価まで得られる次第です。

勘違いしないように言っとくけど、それ、オマエがおこした小火だからな。自分で消せよ。


御社のトヨタ生産方式は、なぜ、うまくいかないのか? ~偽りの「かんばん」~