写真とか無いのがホント残念。

1999年の夏だった。
当時、ヤタラメッタラPSばっかりやっていた頃。
空腹が深夜やってきたのはいつも通り。
いっこ裏通りの自宅から、歩きで1、2分のファミマも常連。
そんな短距離を原付で。

車2台がギリギリ並べる程度の裏通りを抜けて、表のそれでもさほど大きいわけでない通りへ右折。
した瞬間にタイヤがズルッと左側に滑る。ソロバンか何かにのっかったみたいに。
なんのことだか判んないけどとにかくソッコでスピード下げて体勢を整える。
何踏んじゃったかなぁ?と後輪あたりを振り返るとすごい量の何かをすり潰した跡。
踏んじゃったものが、バナナとか布とかゴムとか気持ちいい方のモノではないのは、ぱっとみで理解。
やべーな、なんて思いつつ前の方に視線を戻す。
とヘッドライトに照らされたアスファルトの表面全面が赤黒い絨毯みたいなのがひかれている。し、この絨毯がゆっくりと左右に向けて伸びてる?逆?縮んでる?移動っ?

観てるものが観たことなさすぎて、一瞬完全に意味が判らない。
道って開くっけ?
質問自体の意味も判らない。

視力は1.5だったけど目を凝らしてみた。
絨毯とか面じゃない。細かいものがギッシリ道を被ってて、一つ一つが捻るみたいに波打ってる。
細長い生き物らしきものが道を埋め尽くしているってとこまで何とか理解。
そいつらが街灯に照らされた通りの真ん中から、暗い街灯の足元へ移動してるらしい。
センターラインがかろうじて見えてたのはそのせい。

対向車がどうのというのは全然考える余地は無かった。
ズルズル絨毯にタイヤ捕られて全身ズルズルまみれは勘弁、とかいうのも関係なかった。
単にさっきからズーッと踏み続けてる絨毯、油まみれの鳥皮みたいな何かの感触がスクーター越しに体に伝わってくる事がむりでセンターライン上をいく。それでもやっぱりブチブチ言うイヤな音が続く。

そんなこんなで右手にファミマが見えているんだけど、右折したいんだけど、またあの感触を味わうことになるんだけど、ここで曲がっとかないとどこまで道が開いてるかわかんないし、ファミマの前は明るくて地面普通っぽいし。で、エイヤ

店長兼店員兼深夜担当のオバチャンには何故か何も伝えなかった。立ち読みでやり過ごす考えも湧かず、普通に最短時間で買い物を終えて、スタンド立てたままエンジンかけて後輪を最高速で回して原付のタイヤの溝にたまったモノを飛ばした。

帰り道は、ブチブチの覚悟と、家まで足を一回も地面に付けないことだけしか頭になかった。

ミミズこえー